『夏休みが嫌いな理由』

『夏休みが嫌いな理由』


「明日から夏休みだね……」
「だなー。楽しみ楽しみ」
「そっか、コムン君は楽しみなんだ、夏休み」
「え、もしかして嫌いなの? アマミヤは」
「あたしは……嫌いかな」
「うそーん。信じられねー。なんで? なんで?」
「学校がないから」
「えー、学校がないからいいんじゃんよぅ。ま、アマミヤは真面目だからなぁ。……そんなに好きなの?」
「えっ」
「好きなの? 勉強」
「あ、あああ、べっ、勉強ね。勉強は好きかも」
「さっすがぁ。秀才は違うよなー。俺なんて勉強だいっきらいだからなぁ。よかったら夏休みの宿題写させてよ」
「――いつにする?!」
「や、今からそんな意気込まれても……また夏休みの終わりになったら連絡する。それか授業始まってからかも」
「そっか……」
「じゃあなっ、アマミヤ。また後期になー」
「うん、じゃあね」

 学校でコムン君に会えなくなるから、夏休みは嫌いです。

(357)

夏のモチーフは入れた。けど、なんとなく萌えない。捨て。

『ぴろーとーく』

『ぴろーとーく』


そろそろ電話切ろうか?
ん……だいじょぶ……
ほんとに?
うん……うん……うん……
それでさ
…………ん
おい
…………
おーい
…………
おいっ!
――ふぁいっ?!
お前、今寝てただろ
……寝てないもん
寝てた
寝てない
ねーてーた 
ねーてーなーいー
どうする? もう切ろっか
ん〜ん、もうちょっとだけ
そっか、眠かったらすぐ言えよ? 切るから
……ん
…………
…………すぅ
……やっぱ切ろ。明日だって話せるし
えー
えー、じゃないだろ。お前寝てたし
なんでだろ、コムン君の声聴いてると眠くなっちゃう
遠回しに俺の話が退屈って言いたいわけ? やっぱ切るわ
え〜
夏休みなんだから、いつだって遊べるだろ
それとこれとは違うもん
だったら人が話してる時に寝るなよっ。切るぞ
ん……おやすみ……
じゃあな
…………
…………
…………
……早く切れよ
コムン君が切ってよ
こんな時は男が女を見送るんだよ
違うよー。かけてきた方が切ってから切るのが礼儀なんだよ? だから私が後
そんなの聞いたことねー
というわけで、コムン君が切ってね
…………
…………
……やっぱり切りづらいんですけど
じゃあ、せーので切ろ? それなら文句ないでしょ
おし
じゃあコムン君合図して
なんで俺なんだよ
別にどっちでもいいでしょ
それじゃあいくぞ
うん、いいよー
……
……
せーのっ!
…………
…………
…………
なんで切らないんだよっ! なんで切らないの?!


(561)

整形している途中で夏のモチーフが入っていないことに気が付く。捨て。

『お隣さん』

『お隣さん』


 僕とミカの家は隣同士だ。正確に言うと、上下同士だ。僕の家がマンションの三階で、ミカの家が四階。だから僕とミカはいつも一緒に下校する。「お前ら夫婦かよー」って冷やかされて初めのうちは嫌だったけど、今ではもう慣れっこだ。
 マンションに着いてから、三階の僕の家の前で立ち話をする。ドアの横の柵によりかかったり、柵を握りながらしゃがんでみたり。話したいことはお互いいつも最初に話してるから、いまさら話す話題なんてないんだけど、それでもだらだらと時間を過ごす。
「あら、二人ともお帰りなさい」と五階の中尾さんが通り過ぎていく。ミカは恥ずかしそうに挨拶する。
 じゃあそろそろ帰るね、とミカが言って、急いで四階への階段を駆け上がっていく。僕はまだ家のドアを開けない。しばらく待つ。


 ――コムンくん、ばいばい
 ドア横の柵から見上げると、四階から同じようにミカが柵から身を乗り出して僕に手を振っている。


「ばいばい」と僕が手を振ると、うれしそうな笑顔を残してミカの家のドアが閉まる。そのドアの音を確認してから、僕は家のドアを開ける。これが僕らの別れの儀式だったんだ。


(479)

同じく夏のモチーフを入れるのを忘れてた。

『姫村さん観察日記』

『姫村さん観察日記』


 「ひま〜」と「ねむいー」が口癖の姫村さんは数学の授業中、いつも通り暇そうにしている。少しウェーブのかかった髪の毛を束にして手に持ち、すごく真剣な顔をして毛先に見入っていた。どうやら枝毛探しをしているようだ。憂いを秘めた横顔がぱっと明るくなる。枝毛を見つけたらしい。そして、少し悲しそうな顔をしながら、枝毛を処理していた。


 英語の時間、隣の席と会話練習することになった。ぼーっとしている姫村さんに声をかけると、「うぇ?」としゃがれた声で反応した。その後こほこほと小さな咳をした。「ごめ……。今日しゃべるの初めてだったから」


 物理の時間、姫村さんはあまりにも暇すぎたのかうとうとしている。しばらくして、急にはっと目を覚まし、慌てて周りを見回しノートを再び取り始めた。寝ぼけてるのか、字を書くその手はまだ蛇行している。がんばれ。


 古典の時間、姫村さんはついに机に突っ伏して眠ってしまっていた。授業も半ばくらいに、突然びくぅ! と体と机を揺らし目を覚ます。「よかった、誰にも気づかれてない」みたいな仕草で胸を撫で下ろしている。俺が見てるって。


 そんなこんなを繰り返して数週間が経ち。姫村さんはなぜか寝不足そうだった。そう言えば最近眠る回数が減ってるような気がする。
「姫村さん、調子悪いの?」
「……だって、見られてるのが恥ずかしくて寝れないんだもん」
(545)

そろそろ夏のモチーフ入れようよ。

comnnocomさんに捧げる2作品+2

第一回萌やし賞
http://q.hatena.ne.jp/1158331166


 以下は第一回萌やし賞のために書いたものです。この企画の趣旨が、ある一人のために書くというものなんだから、その人に合わせて書いたんだし捧げるのもいいかなあと思って。名前入りも幾つか。捧げます。いらないかもしれないけど。


ファック文芸部 - -N-t-S-d-
 結果発表も↑で終わったみたいだし、ここに書いたものを貼っておきます。
 


私なりのプロファイル

  • 頭のいい子が好き。女性上位?
  • 元気、強気、自信アリ→健気(ツンデレ?)
  • かといってオタクっぽい甘〜い萌えではなく、爽やかな萌え。リアルめが好きそう。
  • 最後にちょっときゅん☆とするような捻り。
  • マニアックな萌え(これって萌えなの? とか小説としてはいいんだけど……みたいな)よりも正統派な萌え(かわいい子との会話、エピソード)が好きそう。萌理賞の感想を見てると。


で、提出作品を作ってる途中にできた残骸↓